揚妻博之|個展|オルガネラ Oct.04—Nov.02, 2025 揚妻博之|個展|オルガネラ
会場:The White(神保町オルタナティブ・スペース)#202+205
千代田区猿楽町2-2-1 澤田ビル2 階
東京メトロ・半蔵門線/ 都営三田線・新宿線[神保町駅]A5 出口から徒歩5 分
JR[ 水道橋駅]東口から徒歩 8 分
会期:10/4(土)—11/2(日)
営業:水~土=13~19時、奇数週日曜=13~17時
休廊:毎週月火曜と偶数週日曜
10/12:休業。19は5時まで。26は休業。11/2は5時までです。
〈作家自身によるステートメント〉
オルガネラは、人間の器官と同じような働きをする、細胞を構成する小器官である。細胞膜に囲まれた、核、ゴルジ体、ミトコンドリア、小胞体や微小管などが緊密に働き、外部のオルガネラとネットワークを築きながら、生命活動を維持している。私の作品は、多様なメディウムを使っている。この小器官のような役割でメディウムが一つの器官として働いているように思える。オルガネラの異常は、病気をもたらすこともあるが、進化する過程の複雑なプロセスでもある。色や形、目に見えない、聞こえない、手に取れない、あるいは漂う匂いなどの知覚が、限られた空間や時間に服従することを嫌う。思考の放置に抗い太陽を止め、オルガネラが傷つく。そして創造の追放とエネルギーの蓄積が同時に起こる。
〈本展について〉
揚妻博之は2022年永年活動の拠点にしてきたドイツを離れ、帰国と同時期に開催した弊廊(当時神楽坂)での個展において発表した、独学の油彩画が瞬く間に評判となり、近年は絵画を中心に制作を続けていました。しかし、揚妻は元来深い省察に基づく映像詩と、音やドローイングを加えた総合的なインスタレーションを主な表現スタイルとしていました。その制作に当たって揚妻は、ある土地に古くから密かに息づく「霊性」あるいは「地霊」と、静かに交信や同調を試みるかのような独特なリサーチを行います。心眼が浮遊したり、沈降したり、潜伏したり、また存在の内奥を透過するような揚妻のスピリチュアリティは、インスタレーション全体と作品の細部に色濃く反映されています。
本展はそうした揚妻博之の原点を改めて振り返るべく、2019年シャトー小金井の地下にあった広大な空きスペースで、わずか1日限定で行われた映像詩のインスタレーションと、ここ近年の絵画作品で再構成するものです。
揚妻博之|Hiroyuki AGETSUMA
1978年山形県生まれ。2011年東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。2011–13年ドイツ・シュトゥットガルト美術大学在籍。シュトゥットガルトで活動した後ベルリンに拠点を移す。2022年帰国、現在は山形で活動。実存的な美学と同時性や異なる時間レベルでの物事の一致に関心を寄せている。主な展覧会として、個展:2023年「ラッキークローバー」小金井アートスポット・シャトー2階、「Bhel」HIGURE 17 – 15 cas(東京)、2022年「ハート」スプラウト・キュレーション(東京)、2019年「10日前の砂」小金井アートスポット・シャトーBF(東京)、2018年「子午線」BUoY(東京)、グループ展:2025年「光の後始末」、2021年「THE SHARK」ドイツ文化会館(東京)、2018年「JPN_3」スプラウト・キュレーション(東京)、2017年「Global Forest 2017」ザンクト・ゲオルゲン(ドイツ)、2016年「Temporäre Kunsthalle Neukölln」Parkdeck 5 in Neukölln Arcarden(ドイツ)、2015年「Letschebach Istanbul Project」イスタンブール(トルコ)など。
