企画: SPROUT CURATION
二人展 「レス・ザン・ネイチャー」
作家: 伊勢克也+山本麻世
2022年12月13日(火)—
2023年1月8日(日)
*年末年始休業:12/26〜1/3
火–金 :11–19時/土日祝:11–17時
月曜定休(祝日の場合は翌平日)
CADAN 有楽町 :千代田区有楽町1-10-1有楽町ビル1
*勝手ながら、作家への差し入れ、献花などは謹んでご辞退させて頂きます。
自然と人間を繋ぐへその緒は完全に断ち切られることはない。伊勢克也はキクイムシのコロニーが生々しく残る倒木から、その痕跡を原寸で採取した描像やブロンズ彫刻など、山本麻世は代表作「へその緒シリーズ」や、寄生するスポンテニアス・スカルプチャーなど、二人のシャーマン・ライクなアーティストの共演です。またそれぞれの新刊アーティストブックも限定販売いたします。ぜひお立ち寄り下さい。
伊勢克也|Katsuya ISE
伊勢克也は1960年盛岡市生まれ。東京芸術大学デザイン科卒業後、1984年大学院修士を修めるそのほぼ同時期に「日グラ」(日本グラフィック展@渋谷パルコ)の第5回大賞を受賞、一躍脚光を浴びます。「日グラ」は第3回の日比野克彦の受賞をきっかけに、ニュー・ペインティングに沸くファインアート界とコマーシャル・アート双方を巻き込み、80年代中盤に大きなムーヴメントとを作り出すことになります。
それと同時期に没頭していたのが「マカロニ」シリーズです。「マカロニ」とは、フランス人考古学者アンリ・ブルイユがアルタミラ洞窟壁画を探索した際、狩猟採集や祭祀的な図像とは別に、無数に描かれていた謎の屈曲線を発見、それを「マカロニ」と呼んだことに因ります。スポンテニアスな線と、文字の中間のようなイメージ。爾来、伊勢克也は摩訶不思議な形象を自然から授かろうとするシャーマンのように、日本古来の多神教的な自然観と、近年はデジタルも駆使し、平面のみならずブロンズ彫刻、造園、編み物など展開は多岐にわたり、拡張と変容を繰り返しながら彼此40年近く経った現在も「マカロニ」を探求し続けています。
東京タイポディレクターズクラブ(TDC)理事、女子美術短期大学の教授(現職)を歴任。2017年と19年にスプラウト・キュレーションで「マカロニ」シリーズの個展他、個展、グループ展多数。
山本麻世|Asayo YAMAMOTO
1980 年東京生まれ。多摩美術大学大学院美術学部工芸科修了後、2005 年から2008 年までヘリットリートフェルト・アカデミー陶芸学科(アムステルダム)、2008 年から2009 年までサンドベルグ・インスティテュート、ファインアート学科(アムステルダム)に在籍。
陶芸から現代アートへと指向が拡張する過程を経て、近年は構造物などに寄生する屋外彫刻を中心に活動。中でも標識テープをレリアン編みで作品化する「へその緒」シリーズはアイコニックな作品として注目されています。
主な個展に、2022年「交わると、生まれます」スプラウト・キュレーション/東京、2021年「イエティのまつ毛」アーティスト・ラン・スペース『オルタナティブ掘っ立て小屋:ナミイタ』/神奈川県・鶴川、2019年「母乳で育てた?それともミルク?」、2017年「川底でひるね」いずれもギャラリー川船/東京など。グループ展では2021年「平戸×オランダ 海を越えた芸術祭」/長崎・平戸、「A HAPPY NEW WORLD 」 、2020年「Unrecognized Creatures」ともにスプラウト・キュレーション/東京 他多数。また2015年に新潟越後妻有トリエンナーレ「大地の芸術祭」、「ART SEEDS HIRADO 、2011 年「六甲ミーツアート芸術散歩」で公募大賞特別賞彫刻の森美術館賞受賞。同年おおさかカンバス推進事業(大阪)に参加。他、オランダ、韓国、フィリピンなどでアーティスト・イン・レジデンスに参加。