高嶋晋一+中川周|経験不問 Sep.3–Oct.2, 2022 invitation pdf をダウンロード

高嶋晋一+中川周は、それ自体は画面内に姿を現わさないカメラというもののありようの不可解さを問い、またその可動性を活用した、人間不在の映像作品を制作してきたユニットです。

今年2022年からは、映像が前提とする諸条件を問い直すためのより包括的なプロジェクトとして、研究会の実施を含めた活動を展開しています。プロジェクトは1.「経験不問」、2.「映像なしの映像経験」と名づけられた二軸から構成されています。1では、これまでの作品にあった諸々の要素を切り詰め、扱う被写体や場所、撮影や編集時の操作を最小限に縮減するという、映像へのミニマリズム的なアプローチをとり、2では、上映され見られることが目的(エンド)となっている映像を言語による記述説明のみで扱い、その特質を逆照射するという、映像へのコンセプチュアリズム的なアプローチをとっています。

1の「経験不問」という用語は求人広告のクリシェで、「特殊な技能はいらない、習わずともすぐに誰にでもできる」という意味で「経験を問わない」ことですが、彼らはそこに、「特殊な制約とそこからの試行の蓄積を経なければ、誰であれ至ることが困難である」という意味で「経験を問えない」という、相反するニュアンスも込めています。スプラウト・キュレーションでの初個展である本展では、その経過報告となる新作を発表いたします。

 

主催:高嶋晋一+中川周、Sprout Curation
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 
機材協力:Takuro Someya Contemporary Art