伊勢克也|マカロニ/オブジェクト

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伊勢克也|Katsuya Ise
マカロニ/オブジェクト| Macaroni/Object


前半:2019年3月23日—4月15日/後半4月17日—5月5日

進化する伊勢克也の「マカロニズム」

「自然」から「人工物と混交した自然」へ

 

伊勢克也にとってスプラウト・キュレーションでは2回目の個展となる「マカロニ/オブジェクト」は、一部大胆に展示替えを断行、会期を延長し開催します。

 

副題である「オブジェクト」とは、伊勢克也が無為に描き出した、しかしまるで彼岸からもたらされたかのようにアニミスティックな図像や、採集した木喰い虫の生活痕など、伊勢自身が「マカロニ」と呼ぶ形象をいったんデジタル化、しかもそれはビットマップとは異なり、スケールという概念を持たないベクター・オブジェクトに変換することを指しています。シルクスクリーンや転写によってキャンバスにペーストされた無数の「マカロニ」のオブジェクトは、全体を見渡すときと、細部に目を凝らすときのイメージが相似像をなす、フラクタルを創り出しています。

 

伊勢が1990 年にアートディレクター浅葉克巳の尽力で私家版として出版したドローイング集『マカロニ』の巻末に添えられた、自身の呟きのような以下の言葉をみれば、トポロジカルな「マカロニ」の探求を、時を超えた現在も変わらずに実践していることがわかります。

 

「イメージのマカロニ」は形を持たない。

「イメージのマカロニ」は形を変える。

「イメージのマカロニ」はスケールを持たない。

そして「イメージのマカロニ」は尻軽だ。

 

 

また今回の展示替えには、「マカロニ」のリソースが、自然そのものから「人工物と混交した自然」へ移行することに、はっきりと確信が持てたこともその背景としてあるのかもしれません。「虫食い」のような自然と人工物、あるいはデジタルと手仕事を分化せず、すべてをオブジェクトとして等価に内包する、「人新世」のアニミズムとでも呼ぶべき新しい世界観が、インスタレーション全体を通して表現されています。